玉櫛笥

(たまくしげ)
手塚を愛する額田王が、跡部様のお力をお借りして、手塚の幸せを追求します。
城田優君も応援しています。
BL要素もありますのでご注意ください。
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アルカデルトのアヴェ・マリア

 う〜む、早くも明日から2月ですねぇ、
春ドラマの情報もちらほら出てき始めましたが、
城田君の予定は一体どうなっているものやら・・・???
モバイルサイトのブログによると、
お仕事はやっているみたいなんだけど、
何のお仕事なのか、ちっともわからず。
こんなとき、ANNやってくれてたら、
ちょこっとは雰囲気もつかめたかもしれないのに・・・

情報が入らないので、
やきもきしてばかりの毎日でございます。


さてさて、短い話を1本完成させましたので、
UPしますね。
今回は大人シリーズではございません、
手塚はプロ・デビューしたて、
跡部様は高校生かな〜、の設定です。
お暇でしたら・・・

なお、この話のタイトルは、
話の中身とは連動していません、
タイトルを決めかねて、
たまたまその時聞いてた曲のタイトルにしてしまったという・・・(大汗)


 

 アルカデルトのアヴェ・マリア―1―



「もしもし、跡部か?
・・・実は・・・面倒をかけてすまないが、
頼みたいことがある。」

ここはさるテニスの世界大会の会場。
世界大会とは言っても、まだプロになりたての選手が中心の大会ではあるが、それでも、
世界ランキングのポイントも得られる大会で、
デビューしたばかりの手塚も参加していたのだが、
当然のごとくダントツの優勝候補だった。
跡部グループがスポンサーにもなっていて、
何より手塚の恋人である跡部も、
手塚の試合を中心に観戦していたのだったが。

準決勝も難なく勝利した手塚は、
――「楽な試合などない」
手塚は言うけれども――
この後、もう一試合行われる男子シングルスの準決勝を、
跡部と一緒に観戦する約束になっていたのだが、
観覧席で待っていた跡部の携帯が震えて、
多分、ロッカールームで着替えているであろう手塚からの電話なのだった。
通話のため、ロビーに出る間ももどかしく、
「どうした?」
勢い込んで尋ねた、と言うのも、
手塚からはめったに電話がかかって来ることはない、
だから、その手塚が電話をしてくるというのは、
どうしてもかけなくてはならないと手塚が判断したからにほかならない。

「何だ、珍しいな、お前の方から頼みごととは。」
「ああ。
実は、跡部、着替えの上下・・・とりあえずどんなものでもいいのだが、
持ちあわせはないだろうか?」
「ああ? お前、着替えを忘れて来ちまったの?」
「そういうわけではないが、ちょっとここでは・・・」
手塚が何となく口ごもったってことは、
多分・・・何かはわかんねぇけど、
そのロッカールームでは言いにくい事態に陥ったってことだろう、
「わかった、すぐに持って行ってやるから、
身体、冷やさねぇようにして待ってろ。」
「ああ、すまない。」
跡部はVIP用駐車スペースの自分の家のリムジンから、
いつでも使えるようにと常備しているトレーニングウエアを持って来させると、
関係者以外立ち入り禁止のロッカールームへと急いだ。

ドアは閉まっていたが、ノックするとすぐに「どうぞ」と声がかけられ、
少し開いたところで、
思春期以上の男なら誰でも身に覚えのある、
特徴的な饐えたような臭いを敏感に感じ取った。
中には人種もバラバラな数人の選手がたむろしていて、
みんなが一様に、跡部の方に敵意の混ざった視線を投げたが、
手塚だけは一番奥の方で、自分のロッカーの前に立ち尽くしていて、
跡部の顔を見て、心なしかほっとしたような顔をして見せた。
しかし、男ばかりのロッカールームの汗臭さにはどうにか慣れることのできた跡部も、
この部屋のこの臭いには思わず顔をしかめ、
タオルで鼻を覆うと、
手塚の待つ奥のロッカーに、まっすぐずんずん突き進んだ。

「着替え、持って来てやったぜ。
どうした?」
跡部がウエアを差し出すと、
「手間をかけてすまなかったな。」
身体をバスタオルですっぽり覆って、
汗が引いて身体が冷えるのを少しでも避けようとしている手塚が、
自分のロッカーの方を見やった。
鍵が壊されているそのロッカーの扉を開くと、跡部は息をのんだ、
きつい臭いはその中からで・・・
手塚が用意していたらしい着替えのウエアはもみくちゃにされてロッカーの中に散乱し、
誰のかはわからない精液が振りまかれていたのだ、
それも多分、一回分ではなく、
ご丁寧にピンク色の使用済みのゴム製品まで散らばっていた。

さすがの跡部も一瞬声を失ったが、
「何か、盗られたものはねぇの?」
「それはないようだ。」
「じゃ、風邪ひいちゃいけねぇから、
とにかく、早くシャワーだ。
俺がついてきてやるから。」
「ん? 跡部、お前というヤツは。
ここは・・・神聖な試合会場だぞ・・・」
いつもの跡部の言動からつい勘違いしてしまった手塚の脇腹を、
肘で小突いた。
「ばーか、ちげぇよ、俺様だってこんなとこじゃイヤだぜ、
それは明日、優勝してからのお楽しみだろ?
シャワールームの前で見張っといてやる、ってことだ。」
「ああ・・・」

自分の勘違いに赤くなりながらも、
手塚は跡部のウエアを抱えて、シャワールームへと急いだが、
「こんなところで見せつけてンじゃねぇよ。」
今日の試合で負けてしまった黒人の選手が、
ガムをくちゃくちゃ噛みながら、吐き捨てるように言い、
「けど、こいつもカワイイ顔してんじゃん?」
赤毛のそばかす男が下卑た笑いを浮かべたが、
しかし跡部は完全に無視した。
なめんじゃねぇ。
自分だけが侮辱されたのなら、売られたケンカは場合によっては買わないでもないが、
ここは手塚がいる、
手塚にとばっちりがかかる恐れのあることは、
避けた方が賢明だ。

手塚のシャワーが終わると、
跡部は手塚のロッカーの中の汚されたウエアをすべてさっさとビニールの袋に入れ、
「誰か、ほかのヤツにヘンに使われちまわねぇように。」
家に持ち帰って処分することにした。

「・・・ったく、ワケわかんねぇことしやがる。」
本日最後の試合ももうすぐ終わる、
この試合の勝者が、明日の手塚の決勝戦の相手になる。
二人は並んでその試合を観戦していたが、
跡部の方は、どうもさきほどの怒りがおさまらなかった。
直接の被害者の手塚よりも、
手塚を溺愛している跡部の方がよけいに怒っていた、というのはいつものことだが。

「誰のしわざかはわかんねぇし、わかりたくもねぇけど、
あの、ロッカールームにいた奴らも、
少なくともグルだぜ。」
「だろうな。面白がって見ていたのだろう。」
「お前を我が物にしてぇ、って征服欲と、
明日決勝戦に臨むお前を動揺させようってことだな。」
「そんなことで動じたりはしないが。」
「そうだな・・・」
跡部は、手塚だけに見せる柔らかな表情をして、
それから、手塚の掌を取って、
華奢と言っていいくらいに白くて細い骨組の甲に口づけた。
「けど、油断するなよ、
明日の相手は、汚ねぇ真似をしてくるかも。」
「ああ。俺は負けない。」
「だな。」
跡部は手塚の顔を、ほれぼれと見直した。
こんなにきれいで、誰もが憧れるこの男は、
どこにそんな力が潜んでいるのか、誰よりも強く、
そして、その男の恋人は自分なのだ。
跡部は手塚の恋人になれた幸せを、改めて噛みしめた。


                  ―続く―

23:34 | 八重葎90.アルカデルトのアヴェ・マリア | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark
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